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中沢さん原画 報道陣に公開 原爆資料館で90枚

■記者 東海右佐衛門直柄

 原爆資料館(広島市中区)は22日、「はだしのゲン」で知られる漫画家中沢啓治さん(70)=埼玉県所沢市=から寄贈を受ける作品の原画や資料を報道機関に公開した。来年2月ごろ、中沢さんと正式な文書を交わす。

 今回公開した原画は「黒い雨にうたれて」「お好み八ちゃん」の計約90枚。「黒い雨―」は中沢さんが初めて原爆をテーマに描いた作品である。被爆21年後に亡くなった母の遺骨が火葬場で粉々になるのを見て「原爆は母の骨までも奪うのか」と怒り、執筆を決意したという。焦土の広島の街を克明に描き、原爆への激しい憤りを表した。

 「ゲン」が初掲載された1973年6月4日号の週刊少年ジャンプ、「ゲン」の単行本や海外翻訳本約40冊などの資料も公開した。

 中沢さんは9月、白内障の悪化で漫画家引退を表明し、原画や資料の寄贈を決めた。

(2009年12月23日朝刊掲載)

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