×

連載・特集

支える ようこそAPECジュニア会議 <5> 被爆をたどる

■記者 二井理江

先輩の悲劇 伝える決意

 冷たい雨をついて、舟入高(広島市中区)国際コミュニケーションコースの1年生35人が、先輩の原爆犠牲と向き合った。

 中区の平和記念公園南にある市立第一高等女学校(市女)原爆慰霊碑。舟入高の前身である市女は市内の学校で犠牲者が最も多く、碑は676人の名を刻む。「勉強したくてもできずに亡くなった先輩たち。その姿を想像しながらガイドの準備をしよう」。生徒たちは思いを新たにした。

 生徒たちはAPECジュニア会議の参加者とともに、この碑を含む平和記念公園や周辺の6カ所をめぐり、原爆被害について英語で案内する。

 事前学習としてスティーブン・リーパー広島平和文化センター理事長からは「原爆投下について感情的な議論ではなく、二度と起こさないために何ができるかを話し合おう」との助言も受けた。

 「今ある核兵器をなくせるような話をしたい」とプライス梨奈さん(16)。山崎季歩さん(16)も「心を込めて説明したい」と意気込む。週2回の英語の授業で練習を重ね、21日の本番に備える。

(2010年2月6日朝刊掲載)

関連記事
支える ようこそAPECジュニア会議 <4> 密着取材(10年2月 5日)
支える ようこそAPECジュニア会議 <3> おみやげ (10年2月 4日)
支える ようこそAPECジュニア会議 <2> 宮島ガイド(10年2月 3日)

年別アーカイブ