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8・6以外で指定研修 広島県教委方針 「配慮欠けた面も」

■記者 永山啓一

 広島県教委が2010年度から、教員に参加を義務付ける指定研修を、8月6日の「原爆の日」には実施しない方針を固めたことが28日、分かった。2009年度、庄原市立小の男性教諭が広島市での平和集会に参加するため研修を欠席。県教委の戒告処分に対し、教諭が不服申し立てをする問題が起きている。

 県教委は、指定研修を採用初年度と2、3、6、11年目のすべての教員を対象に、3~27日間の日程で実施している。研修は児童・生徒が夏休みとなる7、8月に集中して開き、土日でない限り原爆の日を避けることはしていなかった。

 県教委学校経営課は「原爆の日は親族の命日にあたる人もいる。配慮に欠けていた面はあり、この日の指定研修は避けるよう調整したい」としている。

 今年9月、県教委は、原爆の日にあった11年目の指定研修に参加しなかった庄原市立小の男性教諭を戒告処分とした。男性教諭は「平和集会に参加する」と有給休暇を願い出たが、校長は「代替研修はない」と研修参加の職務命令を出していた。

 男性は「正当な理由なく研修参加を強制したのは違法」として、県人事委に処分の取り消しを求めて不服申し立てをしている。県教委は「処分自体は適正だった」と主張している。

(2009年12月29日朝刊掲載)

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