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「戦後初」原爆漫画に触れよう 中区の資料館 原画複製や掲載誌展示

■記者 東海右佐衛門直柄

 原爆を題材にした最も早い年代の漫画とみられる「星はみている」を描いた漫画家谷川一彦さん(1936~2008年)の資料展が6日、広島市中区の原爆資料館東館で始まった。原画の複製や掲載誌、連載全ページのコピーを展示している。31日まで。無料。

 「星はみている」は、原爆投下から12年後の1957年、月刊誌「なかよし」に1年間連載された。会場では、原画の複製16枚と掲載誌1冊、単行本1冊を公開。発行元の講談社の許可を得て約500枚の全ページのコピーを手にとって読めるようにしている。

 谷川さんが漫画雑誌などに発表した約50作品のうち21作品の一部ページのコピーや作品一覧も展示している。

 原爆をテーマにした古い年代の漫画としてはこれまで、「カムイ伝」などで有名な白土三平氏が59年に発表した「消え行く少女」が知られていた。

 この日は、かつて谷川さんに弟子入りを申し込んで断られ、故石ノ森章太郎氏のアシスタントを務めた平賀稔さん(68)=東広島市=が来場。「谷川さんは当時、手塚治虫さんに次いで絵がうまいと評判だった。原爆を社会に伝えなければという気概があったのだろう」と語っていた。

(2010年1月7日朝刊掲載)

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