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溶けた福助人形 立体映像で再現 原爆資料館で企画展

■記者 東海右佐衛門直柄

 原爆資料館(広島市中区)の企画展「熱線・火災の爪(つめ)あと」が7日、東館3階で始まった。爆心地近くの民家跡から掘り出された人骨や、高温で溶けた陶器製の「福助人形」など9点を公開。このうち3点は立体映像展示システムを使って、背面などの外観も映し出している。4月7日まで。

 人骨はガラス瓶に入れた十数片。被爆当時17歳だった男性から1996年に寄贈を受けた。母や妹、弟たち家族5人がいたとみられる爆心地の南西約200メートルの自宅跡から、被爆数日後に掘り出し、保管していたという。

 会場の一角には、ディスプレー3台を設置。溶けた福助人形と花瓶、ひび割れたすずりの3点について、360度回転する立体映像で観察できるようにしている。

 見学していた東京都府中市の主婦有常留美さん(42)は「涙が出そう。二度と戦争を起こしてはいけないと、あらためて実感しました」と話していた。

(2010年1月8日朝刊掲載)

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