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原爆ドーム周辺 自転車事故防げ 4ヵ所に降車促す看板 広島市設置

■記者 東海右佐衛門直柄

 広島市は、原爆ドーム(中区)の周辺4カ所に、自転車を降りて通行するよう求める看板を設置した。観光客やボランティアガイドからの苦情を受け、事故防止への協力を呼び掛けている。

 自転車を押して歩く人を白と青でデザインした看板は縦横45センチ。ドーム北側の相生通り沿い2カ所、東側1カ所、南側の元安橋そば1カ所に先月、市が据え付けた。「原爆ドーム周辺は、多くの人が訪れます」との文言を添え、歩行者との事故防止が目的であることを知らせている。

 市によると、人通りが多いのはドーム西側の元安川沿いにある公園内の歩道(幅4メートル)。春と秋の観光シーズンには「自転車とぶつかりそうで怖い」との苦情が市に寄せられていた。

 市公園条例に基づく自転車の乗り入れ規制も可能だが、「通勤、通学など生活道として使う市民も多く、自転車の乗り入れ禁止が妥当とはいえない」と判断し、看板で協力を呼び掛けることにした。

 ただ、まだ効果はいまひとつ。ボランティアガイドを続ける三登浩成さん(63)=府中町=は「自転車に乗っているほとんどの人が気付かない」と改善を要望。市緑政課は「観光シーズンには警備員を配置し、自転車を押すよう呼び掛けることも検討中」としている。

(2010年1月13日朝刊掲載)

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