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終末時計1分戻る 「核軍縮の機運」残り6分 米誌公表

 核戦争による地球最後の日までの残り時間を概念的に表示した「終末時計」を管理する米誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」は14日、オバマ米大統領が提唱する「核兵器なき世界」による核軍縮機運の高まりを受け、時計の針を1分戻し、残りは6分となったと発表した。

 針を動かしたのは3年ぶり。同誌は針を戻した理由について「(広島、長崎に)原爆が投下された1945年以来、初めてすべての核保有国の指導者が核軍縮に向け協力している」と説明、今後の動きに期待を示した。

 ニューヨークの科学アカデミーで記者会見した同誌のクラウス・アリゾナ州立大教授は「人類が核兵器の恐怖から解き放たれる時が到来しつつある」と強調した。

 前回、針を動かしたのは2007年1月。北朝鮮やイランの核問題など核を取り巻く環境の悪化を受け、2分進められ、残り5分となっていた。

 「終末時計」は日本の原爆被害に衝撃を受けた物理学者によって創刊された同誌が1947年から公表。核戦争による地球破滅を午前0時と想定、針が最も進んだのは、米国とソ連の水爆実験成功を受けて残り2分となった53年。

(共同通信配信、2010年1月16日朝刊掲載)

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