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被爆ピアノNY公演支援へ因島で演奏会 学習塾経営者ら企画

■記者 石田憲二

 再生した被爆ピアノが初めて海外に渡る米国・ニューヨーク公演(9月)を支援するチャリティーコンサートが2月21日、尾道市因島土生町のポートピアはぶである。因島椋浦町の学習塾経営青木忠さん(65)らが企画した。

 ニューヨーク公演は米中枢同時テロが起きた9月11日の前後1週間、マンハッタンのピア40(波止場)など6カ所以上で開催。無差別に市民を襲ったテロと原爆を重ね合わせ、平和を訴える。演奏には広島市中区千田町の民家で被爆し、安佐南区沼田町の調律師矢川光則さん(57)が5年前に修復した「ミサコの被爆ピアノ」を使う。

 日本各地で被爆ピアノコンサートを開いている矢川さんが海外公演に熱意を持っていることを、廿日市市住吉のカメラマン竹本宗文さん(51)が知り、プロデュース。ニューヨークでの受け入れ先探しなどに奔走し、ピアノの輸送費などに充てる募金も展開している。

 2人とも被爆2世。竹本さんは8月6日に原爆ドーム横で灯籠(とうろう)を提供するNPO法人「子どもの未来と平和を考える会」理事長で、米中枢同時テロの追悼式典にも参列している。「被爆ピアノが行くことで核なき世界を訴えるオバマ米大統領の後押しになれば」と語る。

 青木さんは昨年7月28日の因島空襲犠牲者慰霊祭でピアノによる慰霊コンサートを矢川さんと共同企画。「因島には被爆者も多く、2人の話を聞けるのは有意義。併せてニューヨーク公演の支援も」とチャリティーの狙いを話す。コンサートは午前10時30分と午後2時の2回。協力金千円。青木さんTel0845(22)7135。

(2010年1月21日朝刊掲載)

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