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NPT会議での「議定書」提案 ニカラグア大統領に要請 広島市長

■記者 馬上稔子、東海右佐衛門直柄

 米国と中米ニカラグアを訪れ、両国の大統領と面会した広島市の秋葉忠利市長は26日、市役所で帰国報告の記者会見を開いた。ニカラグアでは、2020年の核兵器廃絶を目指す「ヒロシマ・ナガサキ議定書」を今年5月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で提案するよう要請。オルテガ大統領は核兵器廃絶に向けて努力する姿勢を示した。

 ニカラグアは全153市のうち151市が平和市長会議(会長・秋葉市長)に加盟している。18日に秋葉市長と懇談したオルテガ大統領は「核兵器廃絶に向け、ともに努力したい」と表明。NPT再検討会議でヒロシマ・ナガサキ議定書の提案国になるか否かは明言しなかったものの、同会議に自身が出席する意欲を示したという。

 米国では21日、全米市長会議メンバーとともにホワイトハウスでオバマ大統領と面会。広島訪問への意欲を直接聞いたことについて秋葉市長は「訪問を考えていると確認でき、うれしい」と述べた。

 また、2020年夏季五輪の招致を長崎市が断念したことについて秋葉市長は「展望を開くための判断。それが前向きに、建設的に生きるよう努力したい」と強調。広島、長崎が共有する平和の理念の一体性を掲げたうえで、単独立候補を模索する考えを示した。

(2010年1月27日朝刊掲載)

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