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写真に刻んだ復興ヒロシマ 故大段さん撮影 広島市内8区で巡回展示

■記者 桑田勇樹

 広島市の復興を撮影し続け、2008年に96歳で亡くなった元中学教諭大段徳市さんの巡回写真展が2月17日~3月22日、市内8区で開かれる。約40万点のネガやプリントの寄贈を受けた市が企画。区ごとに地元の光景も交えて100~30地点を厳選、展示する。

 大段さんは1954年から2002年ごろまで市内や周辺を自転車や徒歩で巡り、同じ場所で何度も撮影するなど、復興の歩みを定点観測していた。

 巡回展は、原爆ドーム周辺の街並み、開業当初の広島バスセンター周辺、埋め立てと工場建設が進む商工センター、歩行者用の高架橋があったJR広島駅南口などの写真を展示。会場ごとに地元の変容を刻んだカットを盛り込む。

 大段さんがのこしたネガやプリントは長男の徳行さん(68)=西区=が市に寄贈した。徳行さんは「たくさんの人に見てもらえて父も喜ぶでしょう」と巡回展を心待ちにする。市文化振興課は「撮影場所や日時も記され、資料的価値も高い」と説明し、デジタルデータ化も進めている。

 日程は次の通り。

 2月17~24日、中区のアステールプラザ▽24~28日、東区民文化センター▽3月3~7日、西区民文化センター▽4~9日、安芸区民文化センター▽10~14日、佐伯区民文化センター▽11~16日、安佐南区民文化センター▽18~22日、安佐北区民文化センターと南区民文化センター。

(2010年1月27日朝刊掲載)

   

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