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艦載機移転 計画通り 政府答弁書 「岩国」と明記

■記者 荒木紀貴

 在日米軍再編に伴い米海軍厚木基地(神奈川県)の空母艦載機59機を米海兵隊岩国基地(岩国市)に移転させる計画について、鳩山政権が、自公政権が立てた計画通りに進める方針を固めていたことが27日分かった。国会議員の質問主意書に対する答弁書に明記した。民主党のマニフェスト(政権公約)では米軍再編に関し「見直しの方向で臨む」としていた。

 公明党神奈川県本部副代表の浜田昌良参院議員が18日、国会法に基づき質問主意書を提出。政府が見直しを進める米軍普天間飛行場(沖縄県)の移設問題が混迷する中、「艦載機移転にも影響が及ぶとの心配が神奈川県民にはある」と強調。「普天間移設が万が一、再検討になるとしても、艦載機移転は2006年に日米両政府が合意したロードマップ通りに2014年までに完了するとの政治的意思を明確にしてほしい」と求めた。

 これに対し、政府は26日夜、閣議決定した答弁書を浜田氏に送付。鳩山由紀夫首相名で「艦載機移転はロードマップに従って進めていく考えである」と回答した。厚木基地にある艦載機の整備部門についても「岩国に移転すると承知している」とした。

 米軍再編をめぐっては、民主党は昨夏の衆院選のマニフェストで「見直しの方向で臨む」と掲げ、鳩山政権は発足直後から普天間移設の見直しに着手。岩国市などで騒音被害の懸念が強い艦載機移転についても再検証する方針を示していた。

在日米軍再編
 米軍の抑止力維持と地元負担軽減が目的で、2006年に日米両政府が合意。2014年までの完了を目指す。沖縄県名護市沖への普天間飛行場移設と在沖縄米海兵隊員8千人のグアム移転のほか、騒音被害が出ている厚木基地の艦載機59機の岩国移転などが盛り込まれた。移転が実行されると、岩国基地の駐留機は計120機にほぼ倍増し極東最大級となる。

(2010年1月28日朝刊掲載)

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