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戦後の広島 刻んだ軌跡 佐々木雄一郎写真展 原爆資料館

■記者 東海右佐衛門直柄

 広島の戦後を撮り続けた写真家佐々木雄一郎さん(1917~80年)の写真展が2月3日、原爆資料館(広島市中区)の東館地下で始まる。被爆直後の街の惨状や復興に立ち上がる人々をとらえた120点を展示する。

 爆心地付近の焼け野原(1945年)▽元安川の川岸に残る遺骨(1948年)▽原爆資料館の展示に見入る人々(1967年)▽核実験反対のデモ行動(1971年)―など。原爆の傷跡や復興の軌跡、被爆体験継承に焦点を当てている。

 佐々木さんは西九軒町(現中区西十日市町)出身。原爆で母たち肉親13人を失った。投下から12日後、カメラマンとして働いていた東京から帰郷。写真10万点以上をのこした。犠牲者を追悼する一心でシャッターを切ったという。

 資料館は2007年に遺族から寄託を受けた約2200点と、昨年6月に追加で提供された約6万5千点から展示作品を選んだ。昨年の第1部に続く第2部となる。無料。7月12日まで。

(2010年1月29日朝刊掲載)

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