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岩国艦載機移転 防衛相 計画見直し否定 地元理解求める

■記者 岡田浩平、荒木紀貴

 在日米軍再編に伴う米海兵隊岩国基地(岩国市)への空母艦載機移転計画で、北沢俊美防衛相は29日、計画の見直しに否定的な考えを表明した。日米両国で合意したロードマップ(行程表)通りに進める政府方針について、地元に理解を求める姿勢を強調した。

 北沢氏は定例会見で、米軍普天間飛行場(沖縄県)の移設に触れ「(普天間は)衆院選で大きな政治テーマになり議論しているが、ロードマップ全部をやり直すというのは政権としても深入りできない」と説明し、艦載機移転は現行計画に沿って進める考えを示した。2月中旬で調整中の岩国訪問の際、地元に説明する意向だ。

 閣僚からも歩調を合わせた発言が相次ぐ。昨年10月に艦載機移転の検証に取り組む意向を表明した岡田克也外相は「防衛省で必要な説明をしている」との姿勢を示した。

 連立3与党の中で最も強く再編見直しを求めてきた社民党党首の福島瑞穂消費者行政担当相も「全部を見直すのはなかなかできない状況。沖縄県民の負担軽減に全力を挙げている」と理解を求めた。

 民主党は衆院選マニフェスト(政権公約)で米軍再編について、沖縄に限定せずに「見直しの方向で臨む」と明記したが、艦載機移転に関して政府は26日、「ロードマップに従って進める」との答弁書を閣議決定した。

(2010年1月30日朝刊掲載)

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