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連載・特集

アングル 黒焦げ遺品や家族写真 原爆資料館新着展

 広島市中区の原爆資料館東館で、昨年度に寄贈された被爆者の遺品などを紹介する「新着資料展」が開かれている。無料。来年6月16日まで。

 呉市倉橋町の加納恒治さん(81)は、原爆で行方不明になった弟幸治さんの遺品の弁当箱を寄贈。幸治さんは12歳の時、中島新町(現在の中区中島町)で建物疎開の作業中被爆し、行方不明に。弁当箱は数カ月後に家族の元に返ってきた。

 遺族の形見や写真など101点が並び、原爆の悲惨さを物語る。原爆の絵画なども展示されている。昨年度は48人から268点の資料が寄せられた。

 資料展はことしで16回目。遺族の高齢化などで、寄贈者は2004年度の137人をピークに減少。資料の収集は困難になっている。(安部慶彦)

(2012年8月8日夕刊掲載)

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