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核廃絶へ具体的一歩を 東京でシンポ

■記者 林淳一郎

 核兵器廃絶への道筋を考えるシンポジウムが5日、東京都千代田区の憲政記念館であった。北東アジア非核兵器地帯構想を提唱しているジョン・エンディコット韓国ウソン大学長は、北朝鮮の核開発などの課題を直視しつつ「小さなステップから、世界の廃絶を導こう」と呼び掛けた。

 NPO法人「ピースデポ」(横浜市)の梅林宏道特別顧問が司会。元軍縮大使の猪口邦子氏は「今年は廃絶への具体的な一歩を踏みだす年」と位置付け、包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効などに向けた被爆国政府の貢献を求めた。

 広島市の秋葉忠利市長は、自身が会長を務め、2020年までの廃絶を目指している平和市長会議の取り組みを紹介。「都市や市民の意思が国や世界を動かす力になり得る」と強調した。廃絶への具体的な道筋を描いた「ヒロシマ・ナガサキ議定書」については、5月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議での採択に意欲を示した。

 シンポは尾崎行雄記念財団が主催し、約90人が参加した。

(2010年2月6日朝刊掲載)

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