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セミパラ被曝 広島大原医研の星教授ら 線量推定方式を確立 「広島・長崎にも応用」

■記者 森田裕美

 旧ソ連カザフスタン・セミパラチンスク核実験場周辺の住民たちが浴びた被曝(ひばく)線量推定方式を、広島大原爆放射線医科学研究所(広島市南区、原医研)の星正治教授=放射線生物・物理学=らが編み出した。国内外の専門家が28日に広島市であった研究会で最終合意した。長期にわたる低線量被曝と健康への影響の関係など今後の研究の基礎式となる。

 セミパラチンスクでは1949年から41年間、大気圏と地下で約470回の核実験が繰り返された。原医研や放射線影響研究所(南区、放影研)、カザフスタン放射線医学環境研究所など国内外の専門家約20人でつくる研究班が、被爆地広島、長崎の線量測定にも使われる方法で建物や土壌などの放射線を測定し、95年から13年かけて調査、考案してきた。

 原爆による被曝線量推定方式「DS02」とは異なり、放射性降下物を体内に取り込むことによる内部被曝も推定できるのが特徴。星教授は「今後、推定方式を当てはめて具体的な数値計算に入りたい。広島、長崎にも応用できる」としている。

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