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核軍縮・不拡散の道探る NPT再検討へ第2回準備委始まる

 2015年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けた第2回準備委員会が22日、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で始まった。北朝鮮やイランの核問題が続く中、約190の加盟国が10年の前回再検討会議でまとめた「核兵器なき世界」の追求など行動計画を踏まえ、核軍縮や核不拡散をめぐる課題を話し合う。会期は5月3日まで。 (ジュネーブ発 田中美千子)

 コルネル・フェルッツァ議長(ルーマニア外務省政策局長)が冒頭、「建設的に討議し、相互理解を醸成しよう」と呼び掛けた。

 アンジェラ・ケイン国連軍縮担当上級代表は演説で、03年にNPT脱退を宣言し、核・ミサイル開発で挑発を続ける北朝鮮を非難。「国際社会の働き掛けが必要だ」と指摘。続いて各国が一般討論を始めた。

 核兵器の非人道性を訴え、非合法化を目指す国々は23日にも共同声明を発表する予定だ。日本も賛同を求められているが、政府内には米国の提供する「核の傘」への影響を懸念する声もあり、対応が注目される。

 広島市の松井一実市長は平和市長会議の会長として出席。討議を傍聴後、「絶対悪である核兵器を一掃したいとの被爆地の願いを訴えたい」と話した。24日には準備委の公式行事の非政府組織(NGO)セッションで演説し、各国の軍縮大使とも懇談する。

 15年再検討会議前の準備委は計3回実施。最後の準備委は1年後に米ニューヨークで開かれる。

(2013年4月23日朝刊掲載)

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