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松井市長の反核懇談スタート NPT再検討の第2回準備委 国連幹部に訴え

 広島市の松井一実市長は22日、核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第2回準備委員会が開幕したスイス・ジュネーブで国連幹部たちと懇談した。25日までの4日間、各国政府代表たちに、核兵器廃絶に向けた取り組みの強化を訴える。(ジュネーブ発 田中美千子)

 松井市長は長崎市の田上富久市長、広島平和文化センターの小溝泰義理事長たちと、国連欧州本部にカシムジョマルト・トカエフ本部長を訪問。核兵器禁止条約の早期実現に向け国連のリーダーシップを求める潘基文(バンキムン)事務総長宛ての要請文を、トカエフ氏に手渡した。

 松井市長は「各国が互いに疑心暗鬼になり、自国の国益を守ろうと防御を張る構図がある限り核の脅威は消えない」と指摘。「人間性を信じ、絶対悪である核兵器をなくそうと為政者たちへの働き掛けを強めてほしい」と訴えた。

 トカエフ氏は旧ソ連が核実験を繰り返したカザフスタン出身。「被爆地の思いに共感する。核兵器廃絶という共通の目標を目指す」と答えた。

 松井市長は22日、ジュネーブ軍縮会議日本政府代表部の天野万利大使とも懇談した。

(2013年4月23日夕刊掲載)

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