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「核兵器 非人道の極み」 NPT準備委 広島市長が演説

 広島市の松井一実市長は24日、スイス・ジュネーブで開催中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第2回準備委員会で、平和市長会議会長として演説。各国政府代表を前に「核兵器は非人道兵器の極み。合法であっていいはずがない」と訴え、核兵器廃絶に向けた新しい動きを呼び掛けた。 (ジュネーブ発 田中美千子)

 松井市長は冒頭、昨年8月6日の平和記念式典で読み上げた平和宣言から、当時20歳の女性の被爆手記を引用した部分を朗読した。「誰にも同じ体験をさせたくない」とする被爆者の願いを共有するよう求めた。

 核兵器の非人道性に焦点を当て、使用の非合法化を目指す国々の動きが加速していることに対し「心から歓迎する」と支持を表明。「大量殺りくの脅しで安全を維持しようとする制度は非常に不安定」とし、核抑止力に頼る安全保障体制の限界も指摘した。

 各国の指導者へのメッセージとして「同じ人間として同胞意識に立ち、新しい動きを起こしていこう」と呼び掛けた。

 平和市長会議副会長の田上富久長崎市長、広島で被爆した日本被団協の藤森俊希事務局次長(69)=長野県茅野市=も演説した。

(2013年4月25日朝刊掲載)

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