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連載・特集

永田町発 どうする憲法改正 <3> 日本維新の会 中丸啓広島県総支部代表

96条先行 議論入り口に

 ―党の憲法調査会で改憲の議論がハイペースで進んでいます。
 3月の初会合から約2カ月で計10回の会合が開かれた。基本的に党内に護憲派の人はいないので、前文から改正に関わる部分は全て議論しようとしている。

 ―発議要件を緩和する96条の先行改正を強く訴えていますね。
 衆参両院議員の3分の2以上の賛成という発議要件では、改憲はほぼ不可能だ。現実に一度も発議されたことがない。国民の直接の賛否によって憲法が変わるというのは国民主権の最たるもの。実現するには、96条の先行改正が必要だ。

 ―改正しやすくすることは、国民の側が権力者を縛る立憲主義を否定する、との批判があります。
 憲法改正の入り口に立つのが、96条の先行改正だ。現行の要件では物理的に改憲が難しいのに、中身から議論しようというのは茶番だ。具体的な改正内容は専門家を交えた国民会議で議論していけばいい。逆に、一部の政党の意見だけで改憲案を作るべきではない。

 ―党の綱領で、今の憲法を「日本を孤立と軽蔑の対象に貶(おとし)め」たと批判しました。
 戦後の日本の背骨になったことは事実で、一定の評価はする。しかし、例えば9条で戦力の不保持をうたっているのに自衛隊が存在するなどの矛盾がある。敗戦国として占領軍が統治する段階で作ったルールを維持し、拡大解釈しないと成り立たないことを無理やりしているのは国として屈辱的だ。

 ―改憲議論は今後の政局に影響しますか。
 ぜひ参院選の争点にしてもらいたい。言行一致していない国は信用されない。国際競争の中で、このままでは日本の地位は低下しかねない。有権者は、憲法に対するスタンスを投票基準の一つにしてほしい。

 一方で、国会議員は、党利党略を超えて憲法に向き合っていかなければならないと思う。議員一人一人が、日本の未来を見据えて憲法をどうするべきかを考える必要がある。(藤村潤平)

(2013年5月28日朝刊掲載)

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