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連載・特集

永田町発 どうする憲法改正 <4> 公明 斉藤鉄夫幹事長代行

平和主義の立場 明確に

 ―憲法改正に対するスタンスは。
 今の憲法を高く評価している。基本的人権の尊重、国民主権、恒久平和の3原則を骨格とする現行憲法が、戦後日本の繁栄と平和に果たした役割は大きい。これら3原則を堅持し、環境権などの新たな価値観を加えて「加憲」すべきだ。これが現実的で妥当だ。

 ―公明党は、96条の先行改正に慎重な立場を示しています。
 国民から見れば、憲法のどこを、どのように、なぜ変えるのかということが問題だ。改正しやすくするよう手続きだけを先に見直すことは、国民に疑心暗鬼を生み、不透明な思惑を政治に感じさせてしまう。条文の具体的な改正点と一緒に議論すべきだ。

 個人的には96条を変える必要はないと思う。そう言うと、改正を唱える連立相手の自民党との接点がなくなるし、衆参両院議員の3分の2以上の賛成という発議要件の緩和は条文によっては議論の余地がある、という意見が党内にあるのも事実だ。ただ、たとえ改正するにしても、最高法規として一般の法律より厳格な改正手続きを維持すべきだ。

 ―安倍晋三首相は参院選を通じ、改憲に意欲的です。自民党との憲法観の違いから、公明党はジレンマを抱えているように見えます。
 確かにジレンマはあるが、われわれには恒久平和をはじめとする3原則を大切にしてほしいと願う地方議員、支援者がいる。動じず、堂々と自分たちの考えを主張し続ける。

 その上で、もし自民党が「(連立を組むのは)もういい」となれば「どうぞ他党とやってください」というくらい、腹を決めて議論していく。

 ―改憲論議の中で公明党の役割は。
 改憲や96条改正の議論は慎重にすべきだ、との声は自民党内にもあり、われわれの主張に近い議員もいる。首相も以前よりトーンダウンした。与党の中で平和主義の立場を明確にし、「右傾化」のブレーキ役になる。(城戸収)

(2013年5月29日朝刊掲載)

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