×

連載・特集

折り鶴に乗せて <3> 受け継ぐ

誓いの輪 学校超えて

 「私たちは彼女の物語から学んだことを伝え続けなければならない」。幟町中3年で生徒会長の蟹江真令(まり)さん(15)が、平和アピールを読み上げた。

 佐々木禎子さんの母校、幟町中(広島市中区)が平和記念公園(中区)の原爆の子の像前で開いた碑前祭。25日で25回目を数えた。

 アピールの内容は、全生徒から言葉を集め、生徒会で練った。「いじめやけんかという身近な争いをなくしていきたい」と蟹江会長。自分たちにもできる平和の実践を誓う。

 幟町中は市立小中学校すべてに碑前祭への参加を電子メールで呼び掛け、35校約450人が集まった。安佐中(安佐南区)は原爆詩を群読、各校が持参した折り鶴をささげた。

 碑前祭は、教員有志が始めた。内容は毎年、生徒が考える。初回から関わる大塚中(安佐南区)の宮奥和司教頭(50)は「平和を真剣に考える場。感じ、考えたことをそれぞれの学校に持ち帰って、伝えていくのが大切だ」という。

 参加校はじわりと増えてきた。蟹江さんは後輩にも輪を広げてほしいと願う。(松本輝)

(2013年7月31日朝刊掲載)

年別アーカイブ