×

ニュース

被爆ピアノ 因島に響く 9月NY公演を支援 演奏と朗読 平和奏でる

■記者 石田憲二

 被爆ピアノの米国ニューヨーク公演(9月)を支援するチャリティーコンサートが21日、尾道市因島土生町のポートピアはぶであり、広島市西区のピアニスト向井理佐美さん(37)が奏でる音色に約100人が耳を傾けた。

 ピアノは爆心地から2.6キロの広島市南区段原山崎町で被爆。昨年5月、所有者の被爆女性(82)から託された安佐南区沼田町の調律師矢川光則さん(57)が修復した。コンサートでは向井さんが被爆ピアノの物語を朗読しながら、ピアノにささげる曲「私はピアノ」やショパンなど計7曲を演奏した。

 因島三庄町の村上茂子さん(75)は「忘れかけていた戦争や平和、被爆について、あらためて深いものを感じた」と話していた。

 ニューヨーク公演は米中枢同時テロが起きた9月11日の前後1週間、日米合同の演奏で慰霊と平和を訴える。この日は、矢川さんと、プロデュースする廿日市市住吉のカメラマン竹本宗文さん(52)が会場を訪れた。ともに被爆2世。矢川さんの父と竹本さんの叔父は消防士で、広島で救助活動したことや、同時テロで消防士343人が亡くなったことへの思いなどを語った。

 チャリティーコンサートは、矢川さんの知人である因島椋浦町の学習塾経営青木忠さん(65)が企画。協力金千円で実施した。

(2010年2月22日朝刊掲載)

関連記事
被爆ピアノNY公演支援へ因島で演奏会 学習塾経営者ら企画(10年1月21日)

年別アーカイブ