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「ネバーアゲイン」活動25年 第10期大使を募集

■記者 明知隼二

 ボランティアの「平和大使」として、原爆投下国の米国でホームステイしながら核兵器のない世界の実現を訴える「ネバーアゲインキャンペーン(NAC)」が活動開始から25年の節目を迎え、第10期の大使を募集している。

 次期大使は、国内で研修を積んだうえで2011年1月または9月に渡米。3カ月間の滞在中に現地の学校や教会を訪れ、原爆映画を上映したり、被爆者の体験を代弁したりしながら、米国の若者たちに原爆被害と日本文化を伝える。

 NACは1985年、元中学校教諭の北浦葉子さん(52)=兵庫県三田市=と米国のドナルド・レイスロップ教授(平和学)夫妻が提唱して始まった。これまでの9期で計51人を米国に派遣。延べ1万回を超えるプレゼンテーションを重ねてきた。

 第9期に参加した廿日市市出身の大学院生大辻由起さん(27)=東京都品川区=は約9カ月間、米国とカナダに滞在し、約200回、延べ5千人に被爆者から学んだ体験を語り伝えたという。

 訪問を申し出ても断られるケースが多く、話す内容に日本の戦争加害を盛り込んだりするなどの工夫が欠かせないと大辻さんは振り返る。「きっかけは何でもいい。被爆者の話を語り継ぎ、米国で核兵器廃絶への共感を広げるために、ぜひチャレンジして」と応募を呼び掛けている。

 応募は3月5日までに、日英両語で志望動機をまとめ、履歴書を添えて電子メールで事務局へ申し込む。3月下旬から広島など全国6都市で面接し、5人程度を選ぶ。

NACホームページ  http://nac.junyx.net/

(2010年2月22日朝刊掲載)

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