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輝く未来へ行動宣言 APECジュニア会議閉幕 広島

■記者 明知隼二

 アジア太平洋経済協力会議(APEC)参加国・地域の青少年37人が集まった「APECジュニア会議in広島2010」は23日、広島市中区の原爆資料館東館で全体会議を開き、地域の課題解決に向けた提案と決意を宣言にまとめた。参加者代表がAPEC高級事務レベル会合の議長に宣言を手渡し、ジュニア会議は4日間の日程を終えて閉幕した。

 宣言は環境や教育など4分野で、太陽光や風力など代替エネルギーへの転換▽教育機会の確保や平和・道徳教育の充実▽海賊行為を防ぐ国際協力―などの具体的な提案や若者が取るべき行動を列挙。序文には「核兵器廃絶を求める広島の思いを理解した」と参加者の感想も集約して盛り込んだ。

 高級事務レベル会合で議長を務めた外務省の中村滋大使らに宣言を手渡した広島女学院高(中区)3年串岡理紗さん(18)は「自信を持って渡せる内容になった。しっかり受け止めてほしい」と充実した表情をみせていた。

宣言の骨子

・核兵器廃絶を求める広島の人びとの強い思いを理解した
・環境への意識を高める
・教育は権利だ
・平和実現のため、互いの違いを意識し理解を促す
・食料を無駄にしないよう消費パターンを見直す


議論終えて交流の夜 APECジュニア会議閉幕 伝統舞踊披露も


■記者 明知隼二

 広島市内での「APECジュニア会議」は23日夜、中区の広島厚生年金会館でのパーティーで4日間の日程を締めくくった。真剣な意見交換を繰り返した参加者たちは一転してリラックスした表情。色とりどりの民族衣装に身を包み、声を掛け合って別れを惜しんだ。

 舟入高(中区)の生徒22人による琴の演奏で始まったパーティーで、参加者たちは食事を楽しみ、歌やピアノ演奏も披露し合った。伝統舞踊で大いに沸かせたのは、マレーシアのムハマッドハジム・モハマッド君(16)とシャランディープ・ジャスディープシングさん(16)。息を弾ませながら「楽しんでくれたかな」とはにかんだ。

 各国・地域からの参加者と、ボランティアで会議を支えた地元高校生たちが記念写真を撮り合う場面も続いた。ブルネイのアフマッドファイズ・ザイラニ君(18)は「大事なのは人間のつながり。この会議で、国境を超えての協力ができない理由なんか何もないと確信した」と力強く語った。

(2010年2月24日朝刊掲載)

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