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「復興の象徴」再び根付け 被爆桜37本 市民が植樹 平和公園

■記者 東海右佐衛門直柄

 平和記念公園(広島市中区)で27日、被爆桜の枝を接ぎ木した苗木を市民の手で植えるイベントがあった。市は同公園の桜に樹勢の衰えが目立つため、今年から3年間で計120本の植え替えを計画。約120人が、「復興の象徴」である被爆桜を次世代に引き継ぎ、花咲かせる日を願って参加した。

 参加者は、造園業者から手順を習い、4グループに分かれて作業。スコップで土を掘り起こし、肥料を混ぜながら、接ぎ木して約2年で1~2メートルに育った苗木37本を植えた。

 公園内の桜は約300本あり、1950年代に政財界の寄付などで植えられた。通常、桜の寿命は50~100年とされるが、公園内は落ち葉を清掃するため土壌の養分が不足しがち。観光客が地面を踏み固めるため、生育条件は悪く、衰弱が目立っていた。

 このため市は、120本を市役所本庁舎(中区)の被爆桜の枝を接ぎ木した苗木で植え替える。植樹作業に参加した西区の主婦砂田睦美さん(38)は「平和を求める多くの人が訪れるこの公園で、大きく育ち、きれいな花を咲かせてほしい」と願っていた。

(2010年2月28日朝刊掲載)

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