×

ニュース

核廃絶へ前進誓う ビキニデー集会 焼津と静岡

■記者 岡田浩平

 中部太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁での米国による水爆実験で静岡県焼津市のマグロ漁船「第五福竜丸」が被曝(ひばく)してから56年目の「ビキニデー」の1日、日本原水協や原水禁国民会議が同県内で相次いで集会を開いた。5月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議を好機に核兵器廃絶の運動を強める方針を確認した。

 原水協などでつくる二つの実行委員会は焼津市で集会を開き、約1500人が参加。県原水爆被害者の会の川本司郎会長は、事件が原水爆禁止を求める世論を高めた歴史を振り返り「核兵器の全面禁止、廃絶条約の交渉を求め草の根の運動を」と呼び掛けた。

 元乗組員の見崎吉男さん(85)、大石又七さん(76)も廃絶の願いを訴えた。集会前には、市内の弘徳院で、被曝して亡くなった無線長久保山愛吉さんの墓前祭も営まれた。

 原水禁は静岡市で約300人の集会を開催。川野浩一議長が「再検討会議で実りある成果がほしい。政府に唯一の被爆国のリーダーシップを提起したい」とあいさつ。「あらゆる核実験・核兵器に反対しすべての核開発を止めよう」とのアピールを採択した。

 広島市立大広島平和研究所の浅井基文所長が講演。NPTの課題や日米の核政策の問題点を指摘し、「期限を切った核兵器廃絶の運動が必要」などと述べた。


核なき世界へ 110人決意新た 広島で県原水協


■記者 増田咲子

 ビキニデーの1日、広島県原水協は広島市東区の広島ロードビルで集会「核兵器のない世界へ」を開いた。5月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に合わせて訪米する派遣団も出席。被爆地から世界へ向けた核兵器ゼロの訴えに意気込みを見せた。

 約110人が参加。日本平和委員会の中尾元重常任理事が「日米安保50年と核密約問題」をテーマに講演し「核密約を全面公開するべきだ」と強調した。

 米国派遣団46人のうち約20人も登壇。「核なき世界を次世代に届けるのは大人の使命」「市民は無力ではないと心に刻んで行動したい」などと決意を述べた。

(2010年3月2日朝刊掲載)

関連記事
1200万人署名 達成誓う ビキニデー原水協集会(10年3月2日)

年別アーカイブ