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被爆体験世界へ 日米ネット会議で北川さん証言

■記者 馬上稔子

 米ミズーリ州の「トルーマン大統領図書館・博物館」と広島市中区の原爆資料館を結ぶインターネット会議が2日、あった。広島大名誉教授の北川建次さん(75)=佐伯区=が被爆体験を世界へ向けて語った。

 北川さんは当時10歳で、爆心地の南東約1.3キロの竹屋国民学校(現竹屋小)で被爆した。この日、原爆資料館東館の会議室では、通訳役の広島平和文化センターのスティーブン・リーパー理事長(62)とともにカメラの前に座った。

 北川さんは、校舎の下敷きになった経験などを証言。「がれきに埋もれた人々を見捨てたことが、いまだに申し訳ない。原爆は二度と使ってはいけない」と力を込めた。

 米国側では、同州のウェブスター大の学生や市民約40人が証言を見守った。日米やカナダ、ブラジルなどの計230人も閲覧した。

 学生は昨年6月、広島を訪ねた。学んだ原爆被害の悲惨さを訴えるため会議を企画。原爆の使用を決断したトルーマン大統領にちなんだ図書館で開いた。

 リーパーさんは「米国まで証言に行くと体調を崩す被爆者もいる。広島にいながら世界中の人に訴えることができた」と話していた。

(2010年3月3日朝刊掲載)

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