×

ニュース

被曝と動脈硬化・腎疾患 放影研が影響調査へ 

■記者 増田咲子

 放射線影響研究所(放影研)は5日、新年度から原爆の放射線被曝(ひばく)が動脈硬化や腎疾患に与える影響の研究を始めると発表した。この日まで3日間にわたり研究内容を討議していた第三者機関、専門評議員会(10人)の勧告を受け、方針を決めた。

 専門評議員会の共同座長を務めた久留米大バイオ統計センターの柳川堯教授や、放影研の大久保利晃理事長が広島市南区の放影研で記者会見。被曝線量が高いほど死因に心疾患や脳卒中の割合が高い傾向にあるとの研究データを基に、それらの要因となりうる動脈硬化や腎疾患との関連性を調べ、メカニズムを解明するとした。

 動脈硬化は広島、長崎の被爆者約4千人を対象に4年間調査。腎疾患は過去の被爆者から得たデータを基に2年かけて調べる。

 また大久保理事長は「黒い雨」を受けたかどうかについての被爆者への過去のアンケートを基に、がん発生率を分析する方針も明らかにした。

(2010年3月6日朝刊掲載)

 

年別アーカイブ