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被爆証言 外国人の胸に 原爆資料館

■記者 明知準二、金崎由美

復興と発展学ぶ スリランカ記者ら

 内戦からの復興過程にあるスリランカ北・東部のジャーナリストや公務員5人が8日、広島市中区の原爆資料館を訪れ、被爆者の体験を聞いた。

 一行は外務省の招きで来日。約1時間かけて原爆資料館を見学し、やけただれた三輪車の前では、ピースボランティアの説明に熱心に耳を傾けた。

 現地紙記者のセルワラトナム・アトプタラージさん(29)は「内戦ですべてを失った人たちに、そこから立ち直った広島の経験を伝えたい」。東部州副事務局長のカナパティピライ・カルナハランさん(47)は「許すことが復興と発展の鍵だとヒロシマは教えてくれた」と話していた。


慰霊式に合わせ米退役軍人訪問

 第2次世界大戦の激戦地だった硫黄島(東京都小笠原村)や沖縄を訪れた米国の退役軍人らが8日、広島市中区の原爆資料館を訪れ、被爆証言を聞いた。退役軍人の活動や体験継承を支援する米国の財団が、3日に硫黄島であった日米合同慰霊式に合わせ企画した。

 一行は、11人の退役軍人を含む約30人。ボランティアガイドの細川浩史さん(82)=広島市中区=が、街が焼き尽くされ、最愛の妹も失った悲しみを語ったうえで「ヒロシマを記憶し、多くの人に伝えて」と訴えるのに静かに聞き入った。

 ブルース・ハイルマンさん(83)は「真珠湾攻撃と原爆投下という残忍な応酬を乗り越え、日米が友人となったことに感慨を覚える」と話していた。

(2010年3月9日朝刊掲載)

 

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