被爆証言 外国人の胸に 原爆資料館
10年3月9日
■記者 明知準二、金崎由美
内戦からの復興過程にあるスリランカ北・東部のジャーナリストや公務員5人が8日、広島市中区の原爆資料館を訪れ、被爆者の体験を聞いた。
一行は外務省の招きで来日。約1時間かけて原爆資料館を見学し、やけただれた三輪車の前では、ピースボランティアの説明に熱心に耳を傾けた。
現地紙記者のセルワラトナム・アトプタラージさん(29)は「内戦ですべてを失った人たちに、そこから立ち直った広島の経験を伝えたい」。東部州副事務局長のカナパティピライ・カルナハランさん(47)は「許すことが復興と発展の鍵だとヒロシマは教えてくれた」と話していた。
第2次世界大戦の激戦地だった硫黄島(東京都小笠原村)や沖縄を訪れた米国の退役軍人らが8日、広島市中区の原爆資料館を訪れ、被爆証言を聞いた。退役軍人の活動や体験継承を支援する米国の財団が、3日に硫黄島であった日米合同慰霊式に合わせ企画した。
一行は、11人の退役軍人を含む約30人。ボランティアガイドの細川浩史さん(82)=広島市中区=が、街が焼き尽くされ、最愛の妹も失った悲しみを語ったうえで「ヒロシマを記憶し、多くの人に伝えて」と訴えるのに静かに聞き入った。
ブルース・ハイルマンさん(83)は「真珠湾攻撃と原爆投下という残忍な応酬を乗り越え、日米が友人となったことに感慨を覚える」と話していた。
(2010年3月9日朝刊掲載)
復興と発展学ぶ スリランカ記者ら
内戦からの復興過程にあるスリランカ北・東部のジャーナリストや公務員5人が8日、広島市中区の原爆資料館を訪れ、被爆者の体験を聞いた。
一行は外務省の招きで来日。約1時間かけて原爆資料館を見学し、やけただれた三輪車の前では、ピースボランティアの説明に熱心に耳を傾けた。
現地紙記者のセルワラトナム・アトプタラージさん(29)は「内戦ですべてを失った人たちに、そこから立ち直った広島の経験を伝えたい」。東部州副事務局長のカナパティピライ・カルナハランさん(47)は「許すことが復興と発展の鍵だとヒロシマは教えてくれた」と話していた。
慰霊式に合わせ米退役軍人訪問
第2次世界大戦の激戦地だった硫黄島(東京都小笠原村)や沖縄を訪れた米国の退役軍人らが8日、広島市中区の原爆資料館を訪れ、被爆証言を聞いた。退役軍人の活動や体験継承を支援する米国の財団が、3日に硫黄島であった日米合同慰霊式に合わせ企画した。
一行は、11人の退役軍人を含む約30人。ボランティアガイドの細川浩史さん(82)=広島市中区=が、街が焼き尽くされ、最愛の妹も失った悲しみを語ったうえで「ヒロシマを記憶し、多くの人に伝えて」と訴えるのに静かに聞き入った。
ブルース・ハイルマンさん(83)は「真珠湾攻撃と原爆投下という残忍な応酬を乗り越え、日米が友人となったことに感慨を覚える」と話していた。
(2010年3月9日朝刊掲載)