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原爆症 白内障の認定は評価 名古屋高裁判決で原告団

■記者 岡田浩平

 原爆症認定集団訴訟の名古屋高裁判決を受け全国原告団、弁護団は11日、厚生労働省で会見し、認定行政の速やかな改善を訴えた。

 山本英典全国原告団長(77)は、爆心地から3.1キロで被爆した女性の白内障が原爆症と認められた点を評価。「白内障はあまり認定されておらず判決の影響は大きい。国が却下した事例を見直すよう求めたい」と話した。

 弁護団の宮原哲朗事務局長も、従来の白内障の認定は1.5キロ前後で被爆した事例にとどまっていると指摘。「国の認定基準を明確に批判している」と、認定基準や運用のさらなる見直しを求めた。

 また原告側は、敗訴原告に解決金を支払う国の基金法が来月施行されるのを前に、受け皿となる一般社団法人「原爆症認定集団訴訟原告支援事業実施法人」を来週発足させると表明した。理事長には山本団長が就く。解決金額は、当面予定される5地裁の判決が出そろう5月下旬以後に詰めるという。

(2010年3月12日朝刊掲載)

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