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球場跡地利用 折り鶴 常設展示せず

■記者 野田華奈子

 広島市は12日までに、旧市民球場(中区)跡地利用計画のシンボルともいえるイベント施設「折り鶴ホール」(仮称)について、折り鶴を常設展示しない案に修正することを明らかにした。市議会に折り鶴の展示に異論が強い中、整備主体の民間事業者が修正を申し出たという。

 折り鶴ホールは、折り鶴をモチーフにしたイベント施設。東京都の池原義郎・建築設計事務所を中心としたNPO法人が整備する予定だ。市が昨年1月に策定した跡地利用計画案では、ホール機能を備え、折り鶴も保存、展示する場に位置付けていた。その後、保存目的は削除したが、展示機能は残した。

 しかし、折り鶴ホールをめぐっては、秋葉忠利市長に批判的な市議会の会派に反発が強い。市は、跡地中央に配置する予定である折り鶴ホールの位置や名称の変更にこだわらないとの方針を表明。修正を協議していた池原事務所から「折り鶴の常設展示はしない」との修正の申し出があったという。

 杉山朗旧市民球場跡地担当課長は「折り鶴ホールの中身は整備予定の事業者に任せている」としている。

 跡地利用計画では約5.5ヘクタールのうち8割を緑地や広場にする。折り鶴ホールのほか、スタンドの一部を残す。市は、開会中の市議会定例会に球場の解体工事費など盛り込んだ予算案を提案。計画推進につながる解体が認められるかが焦点となっている。広場は2012年度中の完成を目指し、2013年の全国菓子大博覧会の会場としての利用を想定している。

(2010年3月13日朝刊掲載)

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