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「平和大使」定員割れ 事務局、募集を延長

■記者 明知隼二

 原爆投下国の米国でホームステイしながら核兵器廃絶を訴える「平和大使」第10期の志願者が伸び悩んでいる。「ネバーアゲインキャンペーン(NAC)」事務局が6年ぶりに5人を募ったものの、5日の締め切りまでに志願したのは3人。長引く景気低迷や就職難の影響とみられ、事務局は締め切りを20日まで延長して参加を呼び掛けている。

 平和大使は半年から1年間、米国各地の学校や教会を巡回し、被爆者の体験や日本文化を伝える。1985年から9期実施し、各回とも若者を中心に30~50人が応募。選考と国内研修を経て計51人を派遣した。

 今回は「核兵器のない世界」を目指すオバマ大統領の登場を追い風に、6年ぶりに志願者を募った。それでも応募が低調な背景に、NACを支援する中村朋子広島国際大教授は「厳しい経済情勢」を指摘する。「学生は就職活動に追い立てられ、働く世代も以前に比べて仕事を離れることへの不安が強いのではないか」

 次期大使は2011年1月または9月から3カ月間、現地で活動する。渡航費は自己負担する必要があるものの、現地での食事などは米国側が負担する。NAC代表の北浦葉子さん(52)=兵庫県三田市=は「オバマ政権の今こそ、被爆者の思いを米国の若者たちに届ける好機。積極的に挑戦してほしい」と呼び掛けている。応募方法はNACホームページで。http://nac.junyx.net/home

(2010年3月14日朝刊掲載)

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