×

ニュース

放影研の研究強化勧告 専門評議員会が終了

■記者 森田裕美

 放射線影響研究所(広島市南区、放影研)の研究内容を討議していた外部有識者による専門評議員会は5日、隔年で実施する成人健康調査(AHS)の対象被爆者拡大や、被爆二世健康影響調査の継続など研究強化を求める勧告をまとめ、3日間の会期を終えた。

 共同座長で国立がんセンター研究所の吉田輝彦腫瘍(しゅよう)ゲノム解析・情報研究部長たちが放影研で記者会見。放射線被曝(ひばく)によるがん死亡が今後10年でピークを迎えると指摘し「新たな科学的知見を得るためにも、AHSは郵便による調査を実施したり、若年被爆者の調査対象を追加したりするなど重点的に取り組むべきだ」と述べた。

 昨年、放影研が「現時点で非被爆者の子との間に有意差はない」との結論を出した被爆二世健康影響調査についても「確実に継続させる必要がある」と強調した。

 放影研はすでにAHSへの2300人の追加を目標に、10歳未満で被爆した人を対象に調査への協力依頼を開始。二世調査も理事会で継続に向け努力する方針を決めており、寺本隆信常務理事は「(日米の専門家でつくる第三者機関)上級委員会の最終報告を待ち、結論を出す」としている。

年別アーカイブ