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モンゴルに広島図書コーナー NGOが寄贈

■記者 吉原圭介

 モンゴルの首都ウランバートルにあるモンゴル・日本人材開発センター(日本センター)内の図書室に「広島コーナー」が誕生した。広島市の非政府組織(NGO)「アジアの花たば」が昨年夏、原爆平和に関する本とDVD約40点を寄贈。今年2月に本を追加し充実を図っている。

 日本センターは2002年1月、日本政府の資金援助でモンゴル国立大の敷地内に建設された。企業の人材育成や日本語学習、日本文化紹介の拠点として国際協力機構(JICA)や国際交流基金派遣の専門家、現地スタッフ計約25人が運営に当たっている。

 モンゴルでは日本語学習熱が高く、2階建てのセンター1階にある図書室は読書や勉強のため学生たちが詰めかける。昨年5月、ヒロシマに関する書籍がほとんどないことを知った「アジアの花たば」の小川順子代表(65)=広島市西区=が、広島国際文化財団からの20万円の助成を基に「原爆の絵」「伸ちゃんのさんりんしゃ」などを購入して贈った。

 今年2月には放射線の人体影響について鎌田七男広島原爆被爆者援護事業団理事長が著した「広島のおばあちゃん」の日本語版と英語版計75冊も送った。広島コーナーでの貸し出しのほか、センターはモンゴル国内の国立図書館などへの配布を計画しているという。

 センターは「モンゴルでは折り鶴や広島のことはよく知られ、日本語がよく分からない子どもも本を手に取って見ている。非常にありがたい」と喜ぶ。小川さんは「将来ある子どもたちが日本語を勉強し、放射線についても学んでほしい」と希望している。

(2010年3月15日朝刊掲載)

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