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舟入高の2年生39人 仏を訪問へ 核廃絶訴え 

■記者 明知隼二

 広島市中区、舟入高の2年生39人が22日から核保有国フランスの高校を訪ね、原爆被害について発表する。被爆者が体験を描いた絵を示して核兵器の恐ろしさを伝え、同世代に廃絶の必要性を訴える。出発を前に、英語の発音確認など最終調整に励んでいる。

 一行は、30日まで9日間の日程で渡仏。24、25の両日は、西部にあるラ・ロシェル市のサンテグジュペリ高の生徒とともに核兵器について議論したり、ナチスによる虐殺があった村を訪れたりする。

 発表は、がれきの下敷きになった子どもを救えなかったり、山積みの死体を火葬したりした状況を振り返る被爆者の言葉を英語で紹介。スクリーンに被爆者の絵を映し出して解説する。「この記憶から学び、同じ過ちを繰り返さないことが私たち次世代の責任だ」と締めくくる。

 発表担当の奥村彩華さん(17)は「準備をする中で被爆の事実にあらためて衝撃を受けた。フランスの高校生にも、核兵器について考える機会にしてほしい」と期待する。

 またナチスが村人を虐殺したオラドゥール村跡では、廃虚を見学し、生存者の証言を聞く。6月にある舟入高の文化祭で写真展を開き、現地で学んだ内容を紹介するという。

 今回の交流計画は2008年10月にサンテグジュペリ高が舟入高を訪れたのがきっかけで生まれた。

(2010年3月18日朝刊掲載)

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