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核兵器廃絶へ 科学者が討論 岡山大でシンポ

■記者 金崎由美

 被爆国の科学者が核兵器廃絶に向けて果たすべき役割を考えるシンポジウム「動き出すか、核廃絶への道―核廃絶のために物理学者として何が出来るか」が22日、岡山市北区の岡山大であった。同大で20日から4日間の日程で開催中の日本物理学会年次大会の一環。

 原子力委員会の鈴木達治郎委員長代理ら5人のパネリストが出席。鈴木氏は「原子力の平和利用と核不拡散の両立は常にジレンマ。そこで科学者や技術者が果たすべき役割は大きい」と強調した。

 核攻撃を受けた場合の被害想定報告書を広島市の要請でまとめた経験がある葉佐井博巳広島大名誉教授は「核兵器がいかに無差別被害をもたらすかを、心情でなく理屈で理解してもらうための発信が必要」と話した。

 国際的な課題も提起された。NPO法人ピースデポの梅林宏道特別顧問は「専門分野を批判的に研究したり、平和運動にも携わる米国の研究者と対等に議論できたりする人材がもっと増えるべきだ」と指摘した。

(2010年3月23日朝刊掲載)

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