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独ポツダムへ平和紡ぐ被爆石 市民団体が発送へ

■記者 明知隼二

 広島、長崎の原爆被害者を追悼する石碑を市民の手で設置する計画が進んでいるドイツ・ポツダム市に向け、広島で被爆した石を発送する準備作業が29日、広島市西区であった。

 現地に届けるのは1945年8月、路面電車の紙屋町―八丁堀間(現中区)に敷かれ、原爆の熱線を浴びた縦40センチ、横80センチ、厚さ15センチの御影石。この日は広島電鉄車庫内で、現地の取り組みを支援する広島の市民団体「ポツダム ヒロシマ広場をつくる会広島」(金子哲夫世話人)のメンバーらがトラックに積み込んだ。長崎の被爆石とともに、4月上旬にも神戸港から送る。

 ポツダム市では1945年7月、第2次大戦の処理を協議したポツダム会談があり、当時のトルーマン米大統領は会談の期間中に原爆投下命令を出した。大統領が滞在した邸宅前の広場は現在、「ヒロシマ広場」と呼ばれている。

 この広場に現地の市民団体が、原爆投下から65年となる今年夏の完成を目指して石碑の建設を進めている。碑は鉛筆状の形で、長さ約9メートル。広島、長崎の被爆石はこの碑のそばに、原爆犠牲を説明する銘板とともに置かれるという。

(2010年3月30日朝刊掲載)

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