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被爆建物の旧理学部1号館は広島市の所有へ

■記者 滝川裕樹

 広島市は30日、民間事業者の経営破綻(はたん)で活用策が宙に浮いていた広島大本部跡地(中区)の土地利用計画をまとめ、所有者の国立大学財務・経営センター(千葉市)と合意したと発表した。事業者が参入しやすいよう市とセンターの所有地の一部を交換。被爆建物の旧理学部1号館は、市が引き取って保存活用策を探る。

 交換する土地は、市の東千田公園の敷地(3ヘクタール)とセンターが所有する跡地(4.7ヘクタール)の一部。これにより公園が中央を貫く形となり、センターの土地は三つのゾーンに分割される。旧理学部1号館は公園内に位置することになる。

 財務センター所有の三つのゾーンについては、市が「知の拠点」再生プロジェクトに基づく土地利用策を再構成。中心施設となる国際人材育成センター(仮称)は、広島大東千田キャンパスに隣接した一角に整備する。

 千田小に面したゾーンは主に住宅地として、国道2号に面したゾーンは商業やオフィス、住宅用地で利用する。

 市は、2011年度末までに土地区画整理の事業認可などを済ませ、民間事業者を公募する考え。3ゾーンの土地を一体で買い取り、国際センターを整備することが条件となる。センターには生涯学習や社会人教育の拠点、国際大学院を備えることなどを想定。広島大を中心とする大学グループが運営する方針でいる。

(2010年3月31日朝刊掲載)

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