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岩国基地への核持ち込み「確認できず」 外務省室長が岩国市長に説明

■記者 広田恭祥

 外務省北米局日米地位協定室の鯰(なまず)博行室長が6日、岩国市役所を訪れ、福田良彦市長と面会した。日米核密約を認めた同省の調査結果を説明し、米海兵隊岩国基地(同市)への核持ち込み疑惑については「現時点で確認できなかった」と否定した。面会後、福田市長が報道陣に説明した。

 面会は非公開で30分余り。福田市長によると、鯰室長は、1970~80年代に相次ぎ表面化した同基地への核持ち込み疑惑に関し、「膨大な資料を点検したが、現時点で岩国への持ち込みについては確認できなかった」と説明したという。

 福田市長は、密約を遺憾とした上で、ライシャワー元駐日米大使ら米政府関係者らが証言している「60年前後に同基地沖に核搭載揚陸艦が停泊した」との事実の有無を確認。鯰室長は、揚陸艦が停泊した可能性は認める一方、核搭載はあらためて否定したという。

 福田市長は「非核三原則を堅持し、市民に疑念や不安を与えないよう、新たな事実が分かった場合は速やかに市に情報提供するよう申し入れた」としている。空母艦載機移転など在日米軍再編関連の説明もあり、日米地位協定改定、騒音軽減のための滑走路運用時間短縮などを要請したという。

(2010年4月7日朝刊掲載)

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