×

ニュース

旧中島地区にぎわいCGで再現 国連本部で来月上映

■記者 明知隼二

 原爆の爆心地に近い旧中島地区(現広島市中区の平和記念公園)の被爆前の町並みをコンピューターグラフィックス(CG)で再現している平和公園復元映画製作委員会は6日、製作中の映像の一部を報道機関に公開した。5月には核拡散防止条約(NPT)再検討会議が開かれる米ニューヨークの国連本部で上映する。

 公開された映像は、商店が並ぶ繁華街だった中島地区を、光の陰影や建物の経年変化に至るまで精密に再現している。映画館や喫茶店、広島県産業奨励館(現原爆ドーム)など洋風建築物のCGは日米の大学が共同製作した。

 中島地区の元住民ら57人から当時の様子を聞き取り、被爆前の写真約500点も参考にした。元住民の福島和男さん(78)=佐伯区=は「子ども時代を過ごした私の古里が再現された」と喜んでいた。

 国連本部では5月3日、30分間にまとめた作品を上映する。製作委員会代表で会社社長の田辺雅章さん(72)=西区=は「町の様子は細部まで徹底的にこだわった。あの日、何が起こり、何が失われたのか、真実を世界に届けたい」と意気込みを述べた。

(2010年4月7日朝刊掲載)

関連記事
被爆前の原爆ドーム 日米の大学 CGで再現へ(09年11月 6日)
CGで復元 旧中島地区 元住民登場 暮らし語る(09年7月28日)
原爆で消えた旧中島地区再び 広島の田辺さんら、映像化準備 (08年1月 3日)

年別アーカイブ