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被爆の痛み 世界に訴え ピースボート出航

■記者 荒木紀貴

 被爆者と被爆2世の計10人を含む約800人を乗せて地球を一周する大型客船が16日、横浜港を出港した。7月に帰港するまで中国、フランス、ロシアの3核兵器保有国など20カ国を訪れ、被爆体験を証言する。

 出航前の記者会見では、被爆後に急性原爆症を患い、染色体異常が残る広島市南区の児玉光雄さん(77)が「放射線が人間の体の髄まで痛めつけることを伝えたい」と強調。韓国原爆被害者協会の郭貴勲(カクキフン)元会長(85)は「命のある限り、地球上に核兵器があってはならないという運動を展開したい」と力を込めた。

 被爆者の招待は、非政府組織(NGO)「ピースボート」が企画。被爆者2人は途中で下船し、5月に米国ニューヨークである核拡散防止条約(NPT)再検討会議に参加する。

(2010年4月17日朝刊掲載)

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