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イランのウラン濃縮批判 テヘラン核軍縮会議閉幕

■記者 吉原圭介(テヘラン発)

 イラン外務省主催の国際会議「軍縮と不拡散―大量破壊兵器のない世界」は18日、テヘラン市内で3分科会を開き、2日間の議論を総括して閉幕した。

 「各国の軍縮・不拡散義務」がテーマの分科会では、イランの核開発疑惑も議論となり、元米外交官が「ごまかしと信頼の欠如が軍縮を妨げている」と暗に批判。米国との信頼醸成を進めるべきだと指摘した。ロシアの核不拡散専門家は「海外から濃縮核燃料の提供を受けるのがいい」と述べ、イランが自国でのウラン濃縮を断念するよう促した。

 これに対しイランの研究者らは「大量破壊兵器の製造と使用はイスラム教の教えに反する」「核兵器使用をほのめかす(米国の)脅威こそ国際司法の場で裁かれるべきだ」などと主張した。

 イラン外務省によると会議には約60カ国の200人が参加した。意見交換に加わった一橋大の秋山信将准教授は「参加国数は多かったが、必ずしもイランを支援する立場ばかりではなかった。今回の会議は、自国を正当性化しようとする試みとしては成功とはいえない」と話していた。

(2010年4月19日朝刊掲載)

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