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車いす利用者の要望受け 慰霊碑前にスロープ 市、平和公園に新設へ

■記者 桑田勇樹

 広島市は、中区の平和記念公園の原爆慰霊碑前に、スロープを新設することを決めた。現在は階段しかなく、車いすの利用者たちから要望が出ていた。完成は年明け以降になる見通し。

 計画では、慰霊碑の南側にある階段沿いの左右に、スロープを設置する。幅2メートル、長さ14メートル程度。利用者の負担を減らすことを目的に、手すりを付けて傾斜をできるだけ緩やかにする。このため、芝生部分を縮小して上がり口を設ける。建設費は約1800万円。

 平和記念公園は、国名勝に指定されており、市は、文化庁と協議しながらスロープの色や材質などを決める。修学旅行生の混雑が緩和する秋以降に着工する予定でいる。

 慰霊碑は建築家の故丹下健三氏が設計し、1952年8月に完成した。市は、慰霊碑を大きく迂回(うかい)する形で公園の東西にスロープを設けているが、車いすの利用者たちが「まっすぐに近づきたい」と改善を要望していた。

 三好史久公園整備課長は「誰もが祈りをささげやすい環境を整えたい」と説明している。

(2010年4月21日朝刊掲載)

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