×

ニュース

IAEA天野事務局長会見 核軍縮 中東問題が鍵

■記者 金崎由美

 国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は21日、松江市内で記者会見し、5月に米国である核拡散防止条約(NPT)再検討会議の成否について「中東問題が焦点になる」との認識を示した。

 再検討会議は1995年にNPTの無期限延長を決めた際、同時に中東を非大量破壊兵器地帯にするとの決議をした。天野氏はこの中東決議を念頭に「米ロが新核軍縮条約を調印するなど核軍縮は正しい方向に進んでいる。だが中東問題は前進がなく、中東諸国の間に大きな不満がある」と指摘した。

 イランのウラン濃縮問題では「多くのNPT加盟国が、核技術の平和利用にはルールの順守が条件だと主張している。イランが耳を傾ける流れをつくってほしい」と注文した。

 天野氏は2007年のNPT準備会合で議長を務めている。

(2010年4月22日朝刊掲載)

関連記事
イラン核 弾頭化の可能性言及 IAEA、報告書で警告 (10年2月22日)
天野氏が事務局長就任 IAEA 「核不拡散に力注ぐ」 (09年12月 2日)
「核」解決 話し合いで 次期IAEA事務局長 天野氏、京都で講演 (09年10月 5日)

年別アーカイブ