ヒロシマの記録1996 12月
96年12月1日
1996/12/2
三重県御浜町沖で地元ダイバーらが、54年にビキニ環礁の水爆実験で被曝(ばく)した第五福竜丸のエンジンを28年ぶりに引き揚げる
1996/12/4
広島東社会保険事務所が、広島市で被爆した韓国人元徴用工朴昌煥さんらに、戦時中の厚生年金脱退手当金を支給。朴さんらは「支給に至った事情の説明も謝罪もない」と受け取りを拒否
1996/12/4
ユネスコの第20回世界遺産委員会が、日本政府の推薦する広島市の原爆ドームを「世界の文化遺産」に登録することを決定。米は採択を黙認し、戦争遺産に対する取り扱い見直しを求める。中国は賛否を留保
1996/12/4
世界17カ国の元将軍ら軍事専門家61人が、「核兵器の存続は平和と安全を危うくする」と警告、核兵器大幅削減などを求める声明を発表
1996/12/4
原子力安全委員会(都甲泰正委員長)が、非公開だった本会議、専門部会、審査会の議事や資料を原則公開し、報告書原案も公開して一般からの意見を求めるなどの情報公開策を決定
1996/12/5
「原爆ドームの世界遺産化をすすめる会」などの約20人が世界遺産登録決定を受け、広島市の平和記念公園の原爆ドーム前で、清水を献水後に「ヒロシマからのアピール」を読み上げる。原爆資料館や中区役所、百貨店などでは祝賀の懸垂幕を掲示
1996/12/8
高速増殖炉原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故から1年。動燃は事故原因について温度検出器の設計ミスとほぼ断定
1996/12/10
国連総会が、97年に核兵器違法性をめぐる国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見に基づく多国間核軍縮交渉を開始するよう求める決議、究極的核廃絶を目指す核軍縮促進を求める決議を採択。日本は多国間核軍縮交渉について棄権
1996/12/10
「元広島文理科大学の保存を考える会」と「芸備地方史研究会」が、広島市中区の広島大東千田キャンパスに残る被爆建物「旧理学部1号館」の保存、活用を求める陳情書を広島県、市に提出
1996/12/10
「原爆ドームの世界遺産化をすすめる会」が、原爆ドーム世界遺産化を記念して広島県民の集いを開く。被爆者ら約200人が参加
1996/12/12
大学教授やジャーナリストらでつくる「非核の政府を求める会」が、核兵器廃絶に対する政府の姿勢をただす緊急提言を発表
1996/12/13
平岡敬広島市長が市議会で、97年にヨーロッパ各都市と協力して初めて開く原爆展に被爆資料などの展示を計画していると言明
1996/12/14
日本ユーラシア協会が、49年8月に旧ソ連で初の原爆実験が行われたカザフスタン・セミパラチンスクのクルチャトフ市郊外で、現在も東京の約770倍の強さの放射能が残っていることが判明した―と現地調査報告
1996/12/16
米ワシントン州のハンフォード核工場周辺の被曝(ばく)した住民でつくるハンフォード健康情報ネットワーク資料センター顧問のトリシャ・プリテキン委員長が、広島赤十字・原爆病院で健康診断を受ける
1996/12/17
中国電力が建設を計画する上関原発(山口県熊毛郡上関町)から拡散する温排水が南北2000メートル、東西1300メートルに及ぶとの予測が明るみに
1996/12/24
福井県敦賀市の敦賀原発で一次冷却水漏れ
1996/12/25
中国電力が島根原発内に低レベル放射性廃棄物の処理施設建設計画を発表。県と八束郡鹿島町に事前協議を申し入れ