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江戸期の地誌で平和公園を巡る 市民団体がイベント

■記者 新田葉子

 江戸後期に完成した広島城下の地誌「知新集」を参考にしながら広島市中区の平和記念公園一帯を巡る町歩きが26日あった=写真。市民団体「知新集を語る会」メンバー9人が、原爆投下で失われた戦前の町並みを感じ取った。

 平和記念公園では、講師役の郷土史研究家佐々木卓也さん(55)=佐伯区=の説明を聞きながら寺院跡などを見学。かつて厳島神社(廿日市市)の分社をまつったハス池があった場所を確認した。

 続いて、戦前は「水主(かこ)町」と呼ばれ、県庁もあった公園南の一帯を歩いた。胎内で被爆した山本正敏さん(64)=中区=は「原爆で焼けた街のかつての姿を発見している」と話していた。

 知新集は地区ごとの特色や由来、寺社などを詳述した全25巻の史料。「語る会」は2006年から月1回の勉強会で読み解いている。

(2010年4月27日朝刊掲載)

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