ヒロシマの記録１９８６ ５月
86年5月1日
ソ連チェルノブイリ原発事故で、タス通信が「被曝し負傷した１９７人のうち１８人が重体」と伝える
世界平和連帯都市パネル展が広島市の平和記念館で始まる
科学技術庁が「チェルノブイリ原発事故発生当時に現場から北３００キロのモギレフにいて帰国した日本人技師４人からヨウ素１３１とセシウム１３７を検出」と発表
原爆の実相を米に伝える「ネバーアゲイン・キャンペーン」のボランティア、徳山市の高校生加藤由佳さんら６人が広島で合宿
ソ連チェルノブイリ原発事故で放出された放射能が日本の雨や空中のチリ、野菜類から検出
メキシコのデラマドリ大統領が、インド、スウェーデンなど非核６カ国グループによる反核首脳会議を８月６日に開催したいと表明
東京サミットで来日中のレーガン米大統領が広島、長崎両市長に核廃絶への努力を誓うとともに訪米を要請する手紙を送る
東京サミット参加首脳に核兵器の悲惨さを訴えるヒロシマ・ナガサキ原爆写真・資料展が東京の憲政記念館で開幕
世界保健機関（ＷＨＯ）が原発事故の情報交換制度を提言
広島市平和記念公園にある原爆供養塔の遺骨１，６１１柱の身元確認の手がかりを得るため、初の開封調査始まる
東京サミット参加首脳に核兵器の悲惨さを訴えるヒロシマ・ナガサキ原爆写真・資料展が閉幕。２日間で４７５人が入場。サミット参加者はゼロ
ニュージーランド科学工業研究局が「仏は７日、今年２回目の核実験をムルロア環礁で行った」と発表
荒木広島市長が駐日仏大使に核実験抗議電報
広島市平和記念公園にある原爆供養塔の遺骨再調査で２柱の身元が判明。学校名などが手がかり
米ソ包括軍縮交渉の第５ラウンドがジュネーブのソ連代表部で始まる
台湾経済部がチェルノブイリ原発事故に伴い、台湾４番目の原子力発電所建設計画の一時凍結を表明
「中国労働者の国際平和年記念活動」に参加した「広島・長崎平和友好訪中団」が帰国
中国ロケット工学の父と呼ばれる銭学森国防科学技術工業委員会副主任が北京で外国人記者団と会見。「中国のこれまで核実験の過程でごく少数ながら死者が出ている」。当局者として初めて核実験の犠牲者を認める
仏核実験に抗議し被爆者らが原爆慰霊碑など広島県内２５カ所で座り込み
原爆アニメ映画「はだしのゲン・２」（ゲンプロダクション製作、平田敏夫監督）が完成。東京で試写会
太平洋の離島、東京・青ケ島村の青ケ島小中学校から１人だけの中学３年生、広江寿美代さんが修学旅行で広島訪問
米誌タイムが「レーガン米大統領は核装備の巡航ミサイルを搭載したＢ５２戦略爆撃機を増やし、第２次米ソ戦略兵器制限条約（ＳＡＬＴ２）の自主順守の公約を事実上破棄」と報道
広島市原爆被害者の会が「原発は新たな被爆者を生む」と中国電力に運転停止と計画中止を訴え
ソ連政府が国営テレビとタス通信を通じ「チェルノブイリ原発事故による火傷と放射能障害で６人が死亡、３５人が重体」と発表。死者は事故発生当初の２人と合わせ８人に
英環境問題専門家フレデリック・ワーナー教授が「全面核戦争が起これば、環境変化による食糧資源の急減で世界人口の五分の四にあたる４０億人が死亡」と警告
英国際戦略研究所の「戦略概観１９８５～８６年版」が、米ソ包括軍縮交渉を悲観的に分析
米エネルギー省当局者が「衛星や兵器の耐放射能性を調べるためネバダで行われた地下核実験で放射能が漏れ、２人が被曝」と言明
ゴルバチョフ・ソ連書記長が国営テレビで、チェルノブイリ原発事故に初めて言及。「２９９人が入院し、７人が病院で死亡」。確認された死者は９人に
ゴルバチョフ・ソ連書記長が国営テレビで（１）核実験の一方的凍結を８月６日まで再延長（２）核実験禁止に関する米ソ首脳会談を広島か欧州の首都で開く用意－と表明▽ホワイトハウスは拒否▽荒木広島市長は１５日「歓迎」
元米海軍提督のジーン・ラロック氏が中曽根首相に「米の核実験停止に働きかけを」と手紙。コピーが広島市のバートランド・ラッセル平和財団に届く
広島、長崎の老被爆者６人が「原爆の日を休日に」と首相官邸へ直訴
広島・長崎原爆被爆者援護対策促進協議会（八者協）が、被爆者と遺族への年金創設などを陳情
被爆者中心の広島平和友好訪中団（高橋昭博団長、９人）が広島市を出発。中国人民平和擁護軍縮協会の招待で、北京、上海、南京、重慶の４都市へ
西ドイツ南東部バイエルン州バケルスドルフ核燃料再処理工場で約８，０００人が反核デモ。警官隊と衝突し１５７人が負傷
ワールド・フレンドシップ・センターが広島市南区皆実町３丁目に移転
米の反核団体「ロッキー・マウンテン平和センター」が「核実験を阻止するため、男女５人が１７日夜、自転車でネバダ核実験場に侵入」と発表
平和記念公園の原爆供養塔の遺骨再調査をしている広島市が中間報告。名前などを再チェックの結果、名簿誤記が６１柱あり、写真など遺品も見つかる
広島県が被爆４０年誌「原爆被爆者援護のあゆみ－被爆者白書」を発行
広島県が非核自治体宣言の英訳版を核保有５カ国の駐日大使に送付
核兵器廃絶を願う学者、文化人の「非核の政府を求める会」が東京で発足。５１団体、１，３４６人が賛同
ソ連共産党機関紙プラウダが「チェルノブイリ原発事故の情報提供が遅れたため住民に動揺が広がった」と情報公開の必要性を主張
中国地方反原発反火電住民・市民運動連絡会議（福井善之代表幹事、１９団体）が中国電力本社に「ソ連チェルノブイリ原発事故は重大。島根原発の運転中止を」と申し入れ
法政大の西田勝教授の研究室が非核宣言自治体をまとめる。広島、神奈川など７県９２０市町村。非核自治体人口は６，１５２万３，０００人で総人口の５２％に
広島原爆資料館が１９８５年度入館者数をまとめる。１４４万１，９１９人で修学旅行生が４割。外国人は８万人
広島平和友好訪中団（高橋昭博団長）が南京市の南京大虐殺受難同胞記念館で２人の証言聞く
米エネルギー省が「ネバダ州で今年４回目の地下核実験を行った」と発表
国際原子力機関（ＩＡＥＡ）が緊急理事会で、ソ連チェルノブイリ原発事故を機に、事故通報・支援で国際協定づくりに合意
仏核物質会社が「ラアーグ核燃料再処理工場で２０日、放射能汚染除去中の職員５人が被曝」と発表
日韓政府合意に基づく在韓被爆者渡日治療の１９８６年度第２陣の１２人が広島市入り
荒木広島市長が２１日の米核実験に抗議する電報を駐日米大使に打つ
マドラン仏工業相が、原子力発電所事故など核に関する情報をニューメディア「ミニテル」を使って提供する新しいサービスを始めたと発表
英紙ガーディアンが「イングランド北部のセラフィールドにある英核燃料公社の使用済み核燃料再処理工場で作業員２人が放射性物質で汚染」と報道
環境問題専門紙の中国環境報が「河北省で１９８５年６月、放射性廃棄物を古井戸に違法投棄。住民らが被曝し続けていた」と報道
日本被団協、日本生協連、日本青年団協議会など市民１０団体が１９８５年に続き独自に東京－広島、長崎－広島間の平和行進実施を発表。平和行進は３分裂に
広島市平和記念公園の「平和の灯」を京都へ運ぶ全電通労組のマラソンリレーがスタート
広島県原水禁、広島県労会議が「被爆４１周年原水爆禁止大会広島大会」の実行委員会結成総会。大会期間を８月４～６日とし、核をめぐる国際シンポジウムの開催など決める
広島の被爆者らが２１日の米核実験に抗議し、県内２５カ所で座り込み
第１４回全国平和教育シンポジウム（日本平和教育研究協議会、広島平和教育研究所主催）が広島市で始まる。９分科会で教師や高校生８００人が国際平和年をふまえた平和教育への取り組みを討議。２５日まで
日本被団協が２７日からモスクワで開かれる「平和と核戦争防止についての全ソ科学者会議」に伊東壮代表委員らを派遣
ソ連紙クドクが「ウクライナ共和国政府はチェルノブイリ原発事故で、キエフ市と事故関係地域の児童、生徒１０万人以上を疎開させるよう指示」と報道
米スタンフォード大のバートン・バーンスタイン教授が「故トルーマン米大統領の『原爆投下は５０万将兵の生命を守るため』との発言は犠牲予測数の根拠がなく、後につくり出された」と「原子力科学者会報」に寄稿
ゴルバチョフ・ソ連書記長が、訪ソの英国会議員団に核兵器の相互削減を提案
国際平和年を記念した子ども向け反核アニメ映画「百ばんめのサル」（ケン・キース・ジュニア原作）が完成。広島市内で販売や貸し出しが始まる
１９８６年３月に平和学習で広島市を訪問した東京の小中学生１４９人を描いたドキュメント映画「東京・ヒロシマ子ども派遣団」が完成。東京で試写会
西ドイツのケルンで２８日から始まる核戦争防止国際医師会議（ＩＰＰＮＷ）第６回世界大会に参加する同会議日本支部の杉本純雄支部長、横路謙次郎広島大原医研教授ら４人が広島を出発
レーガン米大統領が第２次戦略兵器制限条約（ＳＡＬＴ２）順守を表明。旧型原潜２隻解体を指示
ニュージーランドの科学者が「仏は２８日、南太平洋ムルロア環礁で地下核実験を実施した」と語る
核積載艦の寄港拒否など反核運動をしているニュージーランド・キリスト教協議会の「平和の巡礼団」６人が来日
荒木広島市長が仏核実験に抗議する電報を駐日仏大使に打つ
ソ連チェルノブイリ原発事故の被曝者治療に当たっている米のロバート・ゲール博士が「事故による死者は２３人、５９人が重体」と述べる
１９７４年に米から入手した米戦略爆撃調査団の被爆者証言に登場する外国人女性「ミス・パルチコフ」さんは、広島女学院１００周年記念誌編纂委の調査で米在住のカレリア・ドレイゴさんと分かる
ニューヨーク・タイムズが「米ソが科学者の核実験場相互査察のための有人観測施設設置に合意」と報道
核戦争防止国際医師会議（ＩＰＰＮＷ）が「米はソ連に同調し、核実験停止を」と声明発表
中国人民平和擁護軍縮協会の招きで訪中していた広島平和友好団（高橋昭博団長、９人）が帰国
仏核実験に抗議し被爆者らが広島県内２５カ所で座り込み
広島市が３１年ぶりに行った平和記念公園の原爆供養塔の遺骨再調査が終了。調査対象１，０６１柱のうち３１５柱に新たな手掛かり
広島平和文化センターが、米戦略爆撃調査団が集めた被爆者の証言テープを活字化した「原爆被爆者等面接記録」を出版
カナダで開かれていた北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）の外相理事会が、第２次戦略兵器制限条約（ＳＡＬＴ２）の年内破棄を打ち出した米と欧州・カナダ間の対立を残したまま閉会
ニュージーランドの専門家が「仏は３０日、ムルロア環礁で今年４回目の地下核実験」と語る
日本被団協、日本生協連など１０団体主催の「国際平和年８６市民平和大行進」が東京・夢の島の第五福竜丸展示館前から広島をめざし出発
荒木広島市長が駐日仏大使に核実験抗議電報
「被爆の実相を説明できる広島の若者は４人に１人」。広島市の「青少年の意識と行動調査」で判明
１９６０年にインドから広島市を訪問し、広島「折鶴の会」と交流したヒロシマ・ボガさんがカナダのバンクーバーに住んでいることが分かり、同会が再交流へ
米の反核グループ「セーン」がチェルノブイリ原発事故を機に核実験反対の緊急行動。新聞、テレビの意見広告や議会への電話攻勢など展開へ
日本電信電話会社（ＮＴＴ）首脳が「米戦略防衛構想（ＳＤＩ）に関心を持っており、政府が了解すれば参画したい」と語る。日本の民間企業でＳＤＩ研究参加を表明したのは初めて
被爆４０周年を機にＮＨＫ広島放送局の呼びかけで全国の被爆者が寄せた手記集「いつまでも絶えることなく」が出版
