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ヒストリー

ヒロシマの記録1983 1月


1983/1/1
米の核ミサイル配備予定地のイタリア・シチリア島で西ドイツ「緑の党」など西欧の反戦活動家500人が抗議デモ
1983/1/1
英グリーナムコモン基地の巡航ミサイル配備に反対し、女性活動家44人が基地内に侵入、逮捕
1983/1/1
ローマ法王ヨハネ・パウロ二世がサンピエトロ寺院での新年ミサで核大国に核軍縮実現を呼びかけ
1983/1/2
上関原発反対を訴える山口県熊毛郡上関町祝島の愛郷一心会が島内デモ。住民の半数600人が参加
1983/1/2
英紙オブザーバーが「パキスタンは米の警告で核実験計画を断念」と報道。「パキスタンはアフガニスタン国境のチャーガイ山地に核実験用の地下道を掘削中で、ジアウル・ハク大統領が1982年末に訪米した際に警告」
1983/1/2
ミッテラン仏大統領がテレビのインタビュー番組で「自国のミサイルを1基たりとも削減するつもりはない。欧州の核戦力は均衡していない」と表明
1983/1/2
ソ連共産党機関紙プラウダが米ソ戦略兵器削減交渉(START)で論文掲載。「米の身勝手な立場によって軍縮交渉が暗礁に乗り上げている」と非難。STARTのロウニー米首席代表がABC放送のインタビューで反論「非難は交渉のかけひき。今年中に合意が成立する可能性」
1983/1/3
環境保護団体グリーンピースが「仏の反核活動家35人が、日本から仏へ使用済み核燃料を運んでいるパシフック・クレーンに警告するため、シェルブールを出港」と語る
1983/1/3
米誌ニューズ・ウィークが「米政府はソ連が移動式大陸間弾道ミサイル(ICBM)の配備の可能性も含め、第2次戦略兵器制限条約(SALT2)違反の行動をとっている証拠をつかんだ」と報道
1983/1/5
「ソ連の原子炉積載偵察衛星が下旬に大気圏突入、放射能汚染の懸念」。米国防総省が発表
1983/1/5
レーガン米大統領がホワイトハウスで新年の記者会見。(1)米ソ戦略兵器削減交渉(START)は年内妥結をめざす(2)当面はソ連と首脳会談の時期ではない(3)ワルシャワ条約機構の武力不行使条約提案は北大西洋条約機構(NATO)の同盟国と協議
1983/1/7
欧州の反核運動支援の日本原水協代表団が出発。広島市の被爆者富永初子さんら21人。核ミサイル配備予定地のイタリア・シチリア島などで原爆映画や集会
1983/1/7
レーガン米大統領が核廃棄物の恒久的埋蔵所設置法案に署名。1990年3月までに米初の埋蔵場所選定
1983/1/8
仏での日本の使用済み核燃料再処理に反対し、市民団体2,000人がパリの日本大使館前などでデモ
1983/1/8
原爆をテーマにした創作舞踊「ノーモア・ヒロシマズ」を発表した舞踊家古月澄子さんが膵臓がんで死去。65歳。広島市の出身で1939年、研究所を開設
1983/1/9
英紙オブザーバーが「1950年代にオーストラリアとクリスマス島で行った核実験で、英軍兵士150人以上が放射線を浴び、がんなどで死亡」と報道。52年から58年まで20回の実験に参加した兵士は1万2,000人以上。実験直後から30年たった現在まで白血病による死亡者が相次ぎ、遺族や英在郷軍人会が兵士の医療診断記録の洗い直しを要求。12日、英国防省が参加兵士の健康調査を決める
1983/1/11
ジュネーブの戦略兵器削減交渉(START)と欧州中距離核戦力(INF)削減交渉のカルポフ、クビツィンスキー両ソ連首席代表がモスクワで米下院議員代表団と会談。「交渉進展のためソ連が欧州部から撤去するSS20ミサイルの廃棄も考えている」と新提案
1983/1/11
広島市内の女性3人が、被爆死した子どもの学生服や焼け焦げた着物など遺品5点を原爆資料館に寄贈。同市中区吉島西1丁目、澤田イチヨさん▽同区十日市町2丁目、今村トミノさん▽同区舟入川口町、山本ヨシコさん。「形見にしまっておいたが、私たちも年を取った」
1983/1/12
中国電力の山根寛作会長が新規原発立地で「山口県熊毛郡上関町が最優先」と公式表明
1983/1/12
米次期戦略ミサイル(MX)開発計画に反対する「地球の友」「グリーンピース」など環境保護団体や軍拡反対派など12グループが(1)核爆発がMX基地周辺地域に及ぼす環境アセスメントの実施(2)密集配備計画に基づく国防予算の支出やミサイル生産発注の差し止め-などを求める行政訴訟をワシントンン連邦地裁に起こす
1983/1/15
欧州の反核運動を支援するため派遣された日本原水協代表団が帰国の途に。吉田嘉清日本原水協副理事長がローマで「地中海、バルカンを中心に非核化への願いを確認できた。反核・軍縮の輪を広げたい」と語る
1983/1/16
西ドイツ「緑の党」が特別大会で、核・軍事産業廃絶など脱工業化社会へ「グリーン宣言」採択
1983/1/17
米原子力潜水艦タニーが米軍横須賀基地に入港
1983/1/17
山口県大島郡久賀町の西本浅男さん、マサエさん夫婦が被爆死した長男の学生服を原爆資料館に寄贈
1983/1/17
西ドイツ訪問中のグロムイコ・ソ連外相が「北大西洋条約機構(NATO)が計画通り今年末から米新型ミサイルを配備すれば全面的な核対決を招く」と警告
1983/1/17
西ドイツの保守系有力紙ディ・ウェルトが「ソ連の欧州配備核ミサイルの削減分は日本向けに移動」と報道。アンドロポフ・ソ連書記長が11日にモスクワを訪問した西ドイツ社民党のフォーゲル首相候補に語る
1983/1/18
西ドイツ訪問中のグロムイコ・ソ連外相が、欧州配備核ミサイルの極東移設案について、「アジア方面には現在も多数のミサイルがあり、この地域では何の協定も、条約を作る動きもないからだ」と言明
1983/1/18
国境や思想を超えて核兵器の廃絶や世界平和をめざす「長崎平和推進協会」(NAPP)の設立が決まり、会員の募集を始める。平和関係図書の発行やシンポジウムの開催を予定
1983/1/18
中曽根首相訪米。日米首脳会談でシュルツ国務長官が、欧州配備核ミサイルの削減分を極東に配置するというソ連案を拒否する意向を示す
1983/1/19
訪米中の中曽根首相が、米紙ワシントン・ポストに「日本列島を不沈空母にし、4海峡の封鎖も」と対ソ防衛を言明。ソ連タス通信が「不沈空母をめざせば日本を核報復攻撃の目標に」と警告
1983/1/20
荒木広島市長が本島等長崎市長と連名で23カ国72都市へ「世界平和都市連帯」を呼びかけるメッセージを送る。「平和の維持、確立は国の努力のみに期待するのではなく、市民、都市が役割を分担し、努力を重ねることが不可欠」
1983/1/21
東ドイツを本拠に活動している広島市出身の声楽家、中田千穂子さんが古里公演。原爆詩人栗原貞子さんの詩に東ドイツの作曲家ウド・ツィンマーマン氏が曲をつけた「ヒロシマというとき」を初演
1983/1/22
米フロリダ州タンパ市の牧師ドナルド・ドートリー氏が広島での見聞をもとに反核詩集「8月の雨」(59編)を作り、広島市の原爆資料館に贈る
1983/1/22
山口県上関町の祝島漁協が「反原発の取り組み不足」と役員改選を決める
1983/1/23
長崎の音楽家や音楽愛好家が「反核・日本の音楽家たち・長崎」を結成。1982年3月に発足した「反核・日本の音楽家たち」の地方組織で、名古屋、京都、大阪に続く結成。8月7日「長崎国際平和コンサート」開催
1983/1/24
広島県原水禁が理事会で「反核語り部の旅」第4、5陣を2月中旬から下旬にかけ、西ドイツと南太平洋ベラウ(パラオ)共和国などに派遣決める
1983/1/24
「10フィート運動」の最終作(第4作)「歴史-核狂乱の時代」の広島ロケが始まる。羽仁進監督らスタッフ5人が原爆ドームや原爆資料館などを撮影
1983/1/24
米次期戦略ミサイルMXの反対デモが発射実験予定地のカリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地そばで行われ、200人が逮捕
1983/1/24
ソ連の原子炉衛星コスモス1402号がインド洋上で大気圏に突入、落下。衛星から切り離された燃料の高濃縮ウランや炉心部分は、2月上旬に大気圏突入へ
1983/1/25
外務省が中距離核ミサイルSS20の極東増強、中曽根首相の訪米、訪韓に対するソ連首脳の発言について「ソ連の考え方は強者の論理であり極めて不当、不穏当」とパブロフ駐日ソ連大使に抗議。同大使は(1)アジア地域に一連の核配備が行われている(2)米の軍事力増強の結果、極東情勢が複雑化しており、日本は米の核戦略に巻き込まれている-と述べ、抗議を突っぱねる
1983/1/25
劇団月曜会が被爆20年後の広島を舞台にした推理劇「閃光の遺産~浅野泉邸殺人事件」を広島市で上演。三好徹氏の作品を基に土屋清氏が脚本、演出
1983/1/25
中曽根首相が講演で不沈空母発言に触れ「安保百パーセント発揮が真意」と国防への決意示す
1983/1/26
広島・長崎の証言の会(庄野直美、秋月辰一郎代表)が「ヒロシマ・ナガサキの証言」5号を発刊。「被爆者援護法」「軍縮教育国際シンポジウム」を特集
1983/1/26
2つの広島県被団協など4団体が、在米被爆者広島治療の渡航費援助を広島県に要請
1983/1/26
米ソ両国が核兵器の開発、生産、実験を同時に凍結する、との提案をレーガン大統領に求める決議案が米上下両院に再提出
1983/1/27
ハンガリーのブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団と中国民族音楽代表団の一行が広島市を訪問
1983/1/27
米ソ欧州中距離核戦力(INF)削減交渉が、2カ月ぶりにジュネーブで再開
1983/1/27
ソ連国営タス通信が「欧州中部に非核地帯を」とのスウェーデン・パルメ首相提案に賛意。米政府は28日、非現実的として拒否の意向を表明
1983/1/27
米ネバダ実験場の風下のユタ、アリゾナ、ネバダの各州を中心に全米24カ所で核実験犠牲者を悼みろうそく集会。被害住民で構成する「市民の声」が呼びかけ
1983/1/27
米陸軍が西ドイツに配備予定の中距離核ミサイル「パーシング2」の発射実験に成功。前年7月以来失敗を重ね4回目で成功したが、命中精度の欠陥は未解決
1983/1/28
イタリアのサンドロ・ペルチーニ大統領らが提唱し、コモ市に建設中の「ヨーロッパ抵抗運動記念碑」の一部として、広島市が被爆の石を贈る
1983/1/28
米原子力空母エンタープライズが3月21~25日まで佐世保港に寄港-。政府筋明かす
1983/1/28
米第7艦隊の空母ミッドウェーと原子力潜水艦タニーが佐世保港に入港
1983/1/28
原発立地の是非を争点にした高知県窪川町議選で反対派倍増、賛成はやっと過半数
1983/1/28
仏がアルピオン高原にモスクワも標的可能な新型戦略核ミサイル「S3」9基を配備
1983/1/28
米紙ワシントン・ポストが「中国はパキスタンに核爆弾設計に関する技術情報を提供」と報道
1983/1/30
大阪府立布施高校演劇部が被爆二世の問題をテーマした創作劇「踊楽園-マイ・シティ」を大阪市で開かれた「ヒバクシャ・文化の集い」(大阪市原爆被害者の会、弁護士被爆問題研究会主催)で上演
1983/1/31
レーガン大統領が1984会計年度予算教書を議会へ提出、国防費14.2%増の超突出
1983/1/31
広島市の原爆資料館がデンマーク国立博物館で開かれる「日本展」に、焼けた地蔵や女性の足から摘出したガラス片など資料6点を送る
1983/1/31
レーガン米大統領が「欧州中距離核ミサイルを全廃するため、アンドロポフ・ソ連書記長といつ、どこででも会談」と提案
1983/1/--
広島市の被爆者小西ノブ子さんが原爆で全滅した草津義勇隊157人の最期の様子を記録した「地獄絵~草津南町国民義勇隊全滅の記録」を出版
1983/1/--
ヒロシマ学習を続ける東京・葛飾区立上平井中学校のPTAが戦争体験をつづった文集「忘れ得ぬ日々~子どもたちへ」を発刊
1983/1/--
被爆間もない9月に長崎を訪れた元米海軍従軍医師、チャールズ・スチーブンソン氏が「これ以上黙っていることは罪」と、米紙ボストン・グローブに被爆の惨状を証言。「核戦争は人類皆殺し以外のなにものでもない」

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