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非核地帯の拡大策探る ニューヨークで条約締約国会議 

■記者 金崎由美(ニューヨーク発)

 核拡散防止条約(NPT)再検討会議に合わせ、非核兵器地帯条約の締約国会議が4月30日、米ニューヨークの国連本部であった。条約の強化策や、非核地帯を広げるための課題を議論した。

 2005年に続く開催。対象となる119カ国・地域のうち36カ国が参加。米国など20カ国がオブザーバーとして出席した。

 最大の核兵器保有国の米国が軍縮姿勢に転じたことへの評価が相次いだ一方で、1995年の再検討会議で中東の非大量破壊兵器地帯化を目指すとした「中東決議」の進展がないことへの不満も噴出。エジプトのアブデルアジズ国連大使はイスラエルの核保有を念頭に「今回の再検討会議でしっかりと向き合うべきだ」と主張した。

 カザフスタン、グアテマラなど複数の政府代表は、核兵器を持たない国に核兵器を使用しないとする「消極的安全保障」に法的拘束力を持たせるべきだと訴えた。

 国連の潘基文(バンキムン)事務総長も姿を見せ「私の目標は、世界全体を非核兵器地帯にすること。(すでに発効した)非核兵器地帯は核軍縮の成功ケースだ」と評価した。

 広島市の秋葉忠利市長は「核兵器のない世界を確立するため、今こそ政府による多国間交渉を始めるべきだ」とスピーチした。

(2010年5月2日朝刊掲載)

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